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うみべの女の子が実写化するそうだ。

当時のいにおブームに私ももれなく乗っかっていて、次から次へといにお作品を買い漁ったものだ。

うみべの女の子はいにお作品の中でも群を抜いて名作である。

いにお作品は若さゆえの性の過ちというテーマがどれも根底にはあるが、それがど真ん中ストレートにメインテーマになっている。

磯辺という苗字。何処か間抜けに感じてしまうのでなんでそんな名前にしたんだろう。でも忘れてないってことは成功なのだろうか。

当時の私は何歳だったのかな。大学1年生とか高校生3年生とかそんなだった気がする。

私は20歳まで童貞だったので、セックスの部分に共感することはなかったのだけれど、ある意味童貞だからこそ、体験してみたかった性春時代のモデルのひとつとして突き刺さったのかもしれない。

性的な描写を抜きにしても、恋愛の駆け引きの部分にとても共感する。私は磯辺であり小梅ちゃんだった。磯辺のように手に入らない人に脈ナシのアプローチをし続けけてきたし、いざ相手が振り向くとその頃には心が離れていたり、小梅ちゃんのように、自分が何をしてもこの人は自分が好きだろうと考えていた人が、気づいたら取り返しがつかないほど遠くにいたりした。

リアルタイムで読んでいた頃、あまりに私のことが書いてあるから驚いたものだけれど、それはつまり誰もがこんな似たようなどうしようもない恋愛をしてるってことだし、私は烏合の衆の1人だったのだ。

はっぴいえんどをCDを渡せずに捨てたり、「BUMPの藤原…」って台詞とか、浅野いにおはなんでこんなに若者にウケる話を思いつけるんだろうと脱帽する。ここからはっぴいえんどを聴き始めた人も星の数ほどいることだろう。

私は基本原作中なので実写化全般無理ってタイプなのだけど、何故かいにおの邦画化はありって思っちゃう。だって邦画に求めてることってまんまいにおに求めてることなんだもの。ソラニンを映画館でみた高校1年生の冬から私の邦画の世界は止まっている。

小梅ちゃんも磯辺も中学生から大人になったけど、私はどうだろう。プンプンの後期から変わっちゃった浅野いにおの作風はまた元に戻ってくれないかな。実写化楽しみです。